勃起力を高める

勃起のメカニズムを知ろう

勃起のメカニズムについて説明する医者

勃起障害(ED)に悩んでいる男性はおよそ1130万人もいると推定されています。

また、勃起はしていても満足の行く性行為ができているという自信のある人は、それほど多くはありません。人には言わないだけで、男性であればみんな多かれ少なかれ悩んでいることの1つでしょう。

では、なぜ勃起が上手くいかないのでしょうか。

それを考えるのであれば、逆になぜ勃起するのか、そのメカニズムを知っておきましょう。

勃起のメカニズム

勃起のメカニズムは、性的な刺激を受けると、脳から陰茎に神経回路を伝って、陰茎への血流が増えて勃起を促す事です。

【メカニズム】

感覚や想像などの性的刺激は大脳を経て視床下部で処理されます。すると、仙髄にある勃起中枢に興奮が伝わって骨盤神経へと入ります。興奮を受けた骨盤神経は陰茎海綿体に興奮を伝え、陰茎海綿体の血流が増えて勃起が起こるのです。

骨盤神経の末端からは一酸化窒素が放出されます。一酸化窒素のはたらきでcGMPと言う物質が産生されます。

cGMP:陰茎海綿体の平滑筋をゆるめて海綿体洞内の血流を促して勃起させる。

EDは勃起のメカニズムが働いていない

EDは、この一連のメカニズムのどこかに何らかの問題がある事で生じます。

脳、脊髄、仙髄、骨盤神経、陰茎、陰茎海綿体、一酸化窒素の量、cGMPの量、陰茎海綿体内の血流、このすべてが良い状態であれば勃起します。EDになる場合、以下のいずれかに問題が生じていると考えて問題ありません。

【考えられる問題点】

  • 女性の裸や性欲をそそるようなものを見ても興奮しない
  • 興奮しても大脳から視床下部のどこかに問題があって興奮が神経に伝わらない
  • 脊髄損傷などで神経が骨盤に伝わらない
  • 陰茎海綿体の血流が悪い
  • cGMPが作れなかったり作れていても壊されてしまう

性欲をそそるようなものを見ても興奮しないという例では、うつ病や統合失調症などの精神疾患があります。

テストステロンと言うホルモンの分泌が低下する、ホルモンの病気も原因となることがあります。

興奮が神経に伝わらないケースや骨盤神経まで届かないケースでは、性交に対する不安が強かったり、疲れ、脳血管障害、脊髄損傷、外傷などによる神経損傷があげられます。

陰茎海綿体の血流が低下してしまう原因として、動脈硬化や高血圧などがあります。

タバコも血流を悪くするので、EDの原因となります。

そして、まれですが尿道が裂けているケースや高度の包茎など、解剖学的に異常があるために勃起や性行為が上手くいかないというケースもあります

動脈硬化を引き起こす要因である、肥満や生活習慣病もEDの原因となります。

そのため、EDは生活習慣病の1つだと言う専門家もいます。

そして超高齢化社会を迎える日本では、今後ますますEDに悩む男性が増えることが予想されています。

勃起を抑える作用もある

勃起が起きるメカニズムは上記の通りですが、ずっと勃ったままでは困るし、些細なことでいちいち勃ってしまうのも困ります。そこで、cGMPを抑える物質としてPDE5という物質がcGMPを分解して、勃起をおさえているのです。

cGMPは促進に働き、PDE5は抑制に働いています。

通常はPDE5よりもcGMPの方が多いのですが、EDになると、これが逆転してPDE5の方がcGMPよりも多くなってしまい、勃起を抑制する方向に働くのです。

ED治療薬はPDE5のはたらきを阻害する

ED治療薬は、このPDE5のはたらきを阻害する作用がある薬で、PDE5阻害薬と言うのが分類上の名称です。

現在、日本では3種類のPDE5阻害薬があります。

現在日本で手に入るED治療薬は、PDE5を阻害してcGMPのはたらきを促進するため、海綿体内の血流を促すことで勃起を促しています。

cGMPが充分に分泌されていないタイプや糖尿病ななどで海綿体内の血流が悪いタイプのEDに効果があります。

以下のケースはED治療薬が効きません。

精巣機能が低下

甲状腺機能低下症によるED

脳血管障害や脊髄損傷、外傷などで神経が損傷されているケース

高度の包茎や尿道が裂けているケース

上述したものが原因の場合、ED治療薬の効果が期待できるメカニズムではないので、治療薬を飲んでも、効果は期待できません。また、治療薬はあくまでも勃起を補助するものであって、全面的にサポートするというものではありません。

服薬を考える時は、自分がどのタイプなのか診察を受けることが大切です。

受診する診療科は泌尿器科です。